法律や訴訟に関連した最近のニュースから気になるものをセレクトして弁護士の視点でコメントしています。
今回は7月9日から7月15日までのニュースです。
【1】電通の略式起訴は「不相当」 東京簡裁、正式裁判を決定
http://www.asahi.com/articles/ASK7D5HZ5K7DUTIL02R.html
100万円以下の罰金刑に処する場合で被疑者が同意している場合に略式起訴が可能になる。
今回のケースは検察官も被疑者である電通も略式起訴に同意しているのに裁判所が略式起訴ではなく正式裁判が相当と判断したというレアなケース。
社会的関心は大きなケースだと思われるが、あえて正式裁判にする必要があるのかは疑問も残るところ。正式裁判にすることで明らかになることもないだろうし。
【2】芸能人らの移籍制限は独禁法違反? 公取委が実態調査へ
http://www.asahi.com/articles/ASK7D5DNDK7DUTIL02D.html
芸能プロダクションなどで移籍禁止などの条項が独禁法違反ではないかということで調査に入るらしい。プロ野球のドラフト制度なども同様の問題を抱えている。
どうなるかはなかなか興味深いところ。
【3】NHK受信料訴訟、10月弁論=年内にも初の憲法判断-最高裁
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017071401033&g=soc
まさかの憲法判断が下されることになった。NHKの受信料をどうするべきかは国会での立法論になると思われるが、最高裁がどこまで踏み込むのか、なかなか興味深い。
【4】プロ野球選手会「年俸事前に通知して」 球団側は拒否
http://www.asahi.com/articles/ASK7G6KJSK7GUTQP03N.html
金額をその場で示してサインを求めるというのは契約交渉としては普通はないことなので選手会の要求は普通だと思われる。
ただ、主力選手などは事前に下交渉をしているらしいし、主力でない選手は球団の提示額で納得しなければ戦力外になるだけのようなので、実際にはそこまで差は無いようにも思えるけど。
【5】JASRAC、BGM無断利用店に全国初の著作権侵害行為の差止めと損害賠償を請求
https://www.buzzfeed.com/jp/takumiharimaya/jasrac01?utm_term=.ke5Zry2XW#.mdVQ64evZ
これまでは調停を起こしていたようだが、今度は訴訟提起に至ったとの報道。差し止めと損害賠償ということでシビアな対応だし、おそらく放送していることが争いがなければJASRACが勝つ可能性が高いのだろうけれど、どうなるのだろう?
次回のLEGAL NEWS TOPICSは7月24日(月)更新予定です。